副業を解禁・促進する企業が増えるなか、新しいキャリア形成の方法として「パラレルキャリア」というワークスタイルが注目を集めています。
この記事では、パラレルキャリアとは何か、副業との違いやメリット・デメリット、始め方について紹介します。
パラレルキャリアとは?
パラレルキャリアとは、本業とは別にもうひとつ別の活動に取り組むことを指します。
「パラレル」には「並列」という意味があり、パラレルキャリアは、本業である仕事と並行して第2の活動を行うことで、人生を豊かにすることを目的としています。
第2の活動は、報酬の有無に関わらず本業と同じような配分で取り組むため、「複業」とも呼ばれています。
パラレルキャリアと副業の違い
副業とは、本業以外の活動によって収入を得ることを指します。
例えば、サラリーマンとして働きながら、休日や空いた時間にアルバイトをしたり、クラウドワーカーとして働くようなスタイルです。
パラレルキャリアと副業は、複数の仕事・活動を並行して行うという点では共通していますが、活動の目的に大きな違いがあります。
副業の主な目的は収入を増やすことですが、パラレルキャリアは人生を豊かにするために第2の活動を行います。
必ずしも収入アップが目的ではないため、パラレルキャリアには社会貢献活動(ボランティア)など、報酬が発生しない活動も含まれるのが特徴です。
また、第2の活動では、本業とまったく異なる職種で働くケースも多いです。
パラレルキャリアの実例
パラレルキャリアの具体的な活動事例は、以下の通りです。
パラレルキャリアの実例 | 活動内容 |
---|---|
社会貢献活動(ボランティア) | リサイクル活動や清掃美化活動など、地球保護活動に参加する 災害時などの人道支援活動に参加する |
自己実現活動 | YouTuberなどの配信者として活動する ミュージシャン、ダンサー、小説家などの表現者として活動する |
ダブルワーク | 語学・プログラミング・デザインなど、専門性を高める目的で本業とはまったく異なる仕事をする |
教室やワークショップの開催 | アウトドア教室・裁縫教室・料理教室・ワークショップなど、趣味や得意なことのノウハウを活かした活動をする |
パラレルキャリアでは、副業のように収入アップを目的として行うわけではありません。
しかし、配信者や表現者としての活動で収入を得たり、新しいスキルの習得など、専門性を高める目的でまったく異なる仕事をしたり、教室やワークショップの開催によって収入を得ているケースもあります。
パラレルキャリアが注目を集める理由
パラレルキャリアが注目を集める背景には、人生100年時代と呼ばれる現代の働き方の変化があげられます。
1つの会社で定年まで働き続ける終身雇用が一般的ではなくなった昨今、状況に応じて柔軟にキャリアを築くための転職や副業、ワークライフバランスを充実させるためのリモートワークやワーケーションなど、さまざまな働き方が認められるようになりました。
また、新型コロナウィルスの流行や不安定な社会情勢によって、定年退職をする前に会社が倒産してしまうケースも少なくはなく、収入を1ヶ所に依存することのリスクを感じる人も増えています。
こうした日本社会の変化によって、複数の活動を通じてスキルアップやキャリア形成を行うパラレルキャリアの注目度が高まるようになったと考えられています。
パラレルキャリアのメリット・デメリット
パラレルキャリアのメリット・デメリットを簡単に紹介します。
ワーカー側
パラレルキャリアで得られるワーカー側のメリットとしては、以下のことが挙げられます。
- スキルが向上する
- 新たな得意分野が見つけられる
- 本業のモチベーションアップ・維持、ストレス解消につながる
- 転職せずにキャリア形成や収入アップができる
- 本業では得られない経験ができる
- 夢の実現やチャンスを掴める
- 新しい人脈が築ける
- 視野が広がる
- 時間管理能力を身につけられる
- 社会貢献ができる
- 起業や副業の準備期間にもなる
など
本業と第2の活動を並行して行うパラレルキャリアでは、将来的なキャリア形成につながるさまざまなメリットを得ることができます。
その一方で、パラレルキャリアには以下のようなデメリットもあります。
- 副業禁止の会社では就業規則違反になる可能性がある
- タイムマネジメントや収支管理のスキルが必要となる
- 本業に支障がでないようにしなければいけない
- 自己管理ができないと、中途半端に終わってしまうことがある
- スキルアップの努力を怠れない
など
パラレルキャリアは、本業と第2の活動の比重を半々とするのが基本です。
タイムマネジメントや自己管理をしっかりと行わなければ、本業も第2の活動も、どちらも上手くいかないという事態に陥り兼ねないので注意しましょう。
会社側
以下は、パラレルキャリアによって得られる会社側のメリットです。
- 従業員満足度が向上する
- 離職率の低下につながる
- 個々のスキルアップにより、生産効率や企業の業績が向上する
- 人材育成にかかる費用の削減につながる
など
ただし、会社側としては、以下のようなデメリットにも注意が必要です。
- 就業規則の改正が必要
- 情報漏えいのリスクが高まる
など
従業員のパラレルキャリアを認める場合、就業規則の改正が必要になるケースがあります。
また、情報漏洩防止のためにも、守秘義務契約を書面で交わすといった対策が必要になるでしょう。
パラレルキャリアの始め方
パラレルキャリアに興味はあるものの、何から始めれば良いか分からないという方もいるでしょう。
ここからは、パラレルキャリアの始め方について紹介します。
やりたいこと・興味があることを書き出してみる
パラレルキャリアを始めるにあたって、まず向き合うべきは自分自身です。
今自分が本当にやりたいこと・興味があることを書き出してみてはいかがでしょうか。
「収入を気にしなくても良いなら、何がしたいか」という視点で考えるのがポイントです。
パラレルキャリアのゴールを設定する
やりたいことが見つかったら、自分がパラレルキャリアで何を目指したいのかを考え、ゴールを設定します。
ゴールが見えてきたら、そこまでの道筋を具体的にイメージしましょう。
例えば、セミナーや勉強会への参加、スクールでの学習、求人への応募など、最初にやるべきことが見えてくるはずです。
ゴールの設定は、「人生を豊かにする」という目的で考えるようにしてみてください。
セキュリティ対策ができる環境を整える
パラレルキャリアで本業以外の活動を行う場合、セキュリティ対策には十分気を付けなければいけません。
情報漏えいの意図がなくとも、操作ミスや通信環境が原因で情報が洩れてしまうこともあります。
また、第2の活動を始めることによって本業に支障をきたすことは避けなければいけません。
第2の活動も集中して効率よく進められるように、ワークスペースを確保しておくことも重要です。
例えば、デスクや椅子などのワークスペースやOA機器、Wi-Fi環境などが整ったコワーキングスペースは、パラレルキャリアで働く方にぴったりの場所です。
個人事業主やフリーランスなども多いため、周りの刺激を受けながら集中して活動することができるでしょう。
パラレルキャリアを始めるならコワーキングスペースを活用しよう
パラレルキャリアは、自分の人生を豊かにするために、本業とは異なる第2の活動を行うことを指します。
パラレルキャリアの実現には、集中して活動に取り組めるコワーキングスペースの利用がおすすめです。
大阪・堂島にある「WORKING SWITCH ELK(エルク)」は、フリーアドレス制のコワーキングスペースやセキュリティ対策に有効な個室・固定席などが備わったオフィスサービスです。
コワーキングスペースを都度利用できるドロップ利用や、土日祝だけ利用できる「コワーキングWEEKENDメンバー」といったプランもあるので、自身の活動内容に応じて柔軟に活用できます。
パラレルキャリアを始めるにあたって、集中できる環境・ワークスペースをお探しの方は、ぜひエルクまでご相談ください。