法人化のメリット・デメリットなど解説

 10月21日「WORKING SWITCH ELK」で、個人事業主・小規模法人経営者対象のセミナー「知らないと損する 会社のお金の活かし方」が開催されました。当日は、ファイナンシャルプランナーの株式会社フェイス和嶋修二代表取締役と甚田総合会計事務所の梶浦光史税理士の両名が「法人化をするメリット・デメリットと、法人化のタイミング」「社長の給与額はどうやって決めたらいい」「小規模企業・個人事業主だからできる節税対策」「事業継続をどうするか」「従業員の福利厚生対策」5つのテーマで講演しました。

 「同じ売上高なら個人事業主の方が、手取り収入が多いケースもある。税率だけを考えて法人化するのではなく、『人材採用面で法人の方が好都合』など総合的に判断を」「社長1人で年間1500万円の役員報酬よりも、妻と子を役員にして、それぞれが年間500万円の報酬を得た方が合計の手取り額が多くなる」など、シミュレーション表を示しながら説明しました。また2023年10月よりスタートする「インボイス制度」についても「大手企業などは『インボイス事業者以外とは取引不可』という規定を設けることが予想される」と警鐘を発し、対策の必要性を訴えました。

 最後に「企業永続の条件」として①経営者が現場を大切にすること。会社が大きくなると、社長は「社交」などに精を出しがち。②経営者は数字に強くなること。決算書は読めるようにしておきたい。読めない場合は専門家に遠慮なく尋ねる、と締めくくりました。

 今後も「WORKING SWITCH ELK」では、こうしたセミナーや会員の交流会などを通じて、会員の皆様の起業や事業拡大、人脈形成をサポートします。
 

「仕事の悩み解決」 カフェでは困難

 以前、このコラムで、新しい働き方の広がりに伴い「働く場所」も多様化していることを紹介しました。カフェやファミリーレストラン、ネットカフェやカラオケボックス、ホテルや旅館などが代表的です。これらの中には、座席に電源コンセントを用意したり、無料Wi-Fiを完備したりと働く人に便利な環境を整えるところが増えています。しかし「それ以上のサービス」はなかなか期待できません。カフェにとっては「仕事をする人」も「おしゃべりをする人」も同じ「お客様」であり、仕事をする人にだけ特別な便宜を図ることは、まずありません。

 一方で、そこで仕事をしている人の多くは、様々な悩みや課題を抱えています。例えば、起業に向けて準備中の人は「事業資金の確保」「法人名・屋号・商標の決定」「パンフレットなど販促物の制作」などなど、初めての経験でわからないことだらけです。また、起業後には「税金対策」「採用・労務管理」「売上アップ」「コンプライアンス対策」など、自分一人で学び、対策を講じるには困難な課題が山積しています。

 「経営をもっと勉強したい」「事業について誰かに相談したい」「いい専門家やビジネスパートナーと知り合いたい」。そう思っても、カフェの店内には誰も頼れる人はいません。同じ店に通っていれば、そこで顔見知りができ、その人を通じてこれらの悩みが解消できる可能性もゼロではありませんが、かなりの運任せです。いわゆる「経営者の孤独」は、残念ながらこうした場所では解消できないのです。
 

好き嫌いが分かれる「経営者の会」

 「経営者の交流・勉強会」などの組織が多数あります。こちらは人脈形成と互いのビジネス発展を目的にした会ですから、様々な課題が解決する可能性は高いといえます。しかし「活動費が高い」「会合に毎回出席しなければならない」「会の運営に携わらなければいけない」「新規入会者獲得のノルマがある」など、「ガッツリと活動する」といった性格のところが多く、人によって「性格的に合う、合わないが大きく分かれる」面があります。特に個人事業主や創業間もない企業にとっては、費用・時間面での負担が大きいといえます。
 
 それに対し、「WORKING SWITCH ELK」をはじめとするシェアオフィス・コワーキングスペースは、セミナー・イベントなど、会員が大きな金銭的・時間的な負担をすることなく、学びの場や人脈形成の場を提供できるのが大きな特徴です。参加は全くの任意ですので、会員は「自分が理想とする距離感・頻度」で他の会員などと交流を深め、学ぶことができます。こうした自由度の高さがシェアオフィス・コワーキングスペースの魅力であり、急速に支持を集めている理由の一つになっています。