「会社員を続けながら起業したい」「いきなり独立するのは不安なので、副業や週末起業から始めたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
近年は、副業を認める企業の増加やオンラインで始められるビジネスの普及により、サラリーマンとして働きながら起業を目指しやすい環境が整っています。

一方で、会社の就業規則や税金・社会保険など、事前に確認しておきたいポイントも少なくありません。

この記事では、サラリーマンが起業する方法や副業・週末起業のメリット、始める際の注意点について分かりやすく解説します。

サラリーマンは会社を辞めずに起業できる?

サラリーマンは、会社を辞めなくても起業できます。

近年は、副業を認める企業が増え、インターネットを活用したビジネスが普及したことで、会社員として働きながら事業を始めやすい環境が整ってきました。
Web制作やライティング、コンサルティング、ネットショップ運営など、初期費用を抑えて始められる仕事も多く、副業や週末起業という形で事業をスタートする人も少なくありません。

サラリーマンの起業パターンには、主に以下の3つがあります。

起業パターン 特徴 向いている人
副業起業 本業を続けながら平日の夜や空き時間を活用して事業を行う リスクを抑えながら起業したい人
週末起業 土日や祝日など休日を中心に事業を行う 平日は仕事が忙しく、休日を有効活用したい人
独立起業 会社を退職し、事業を本業として運営する 売上や顧客が安定し、事業に専念したい人

本業を続けながら始める方法と、事業に専念する方法では、リスクや事業に充てられる時間が異なります。
自分のライフスタイルや目標に合わせて選ぶことが大切です。

サラリーマンが起業するメリット

サラリーマンが起業するメリット

サラリーマンとして働きながら起業すると、収入面だけでなく、将来的な独立に向けた準備もしやすくなります。 まずは、サラリーマンが起業するメリットを見ていきましょう。

給与収入を維持しながら挑戦できる

サラリーマンが起業する大きなメリットは、給与収入を維持しながら事業に挑戦できることです。

会社を辞めて独立した場合は、事業が軌道に乗るまで収入が不安定になる可能性があります。

一方、会社員として働き続ければ、生活費を確保したうえで事業を育てられます。
そのため、金銭的・精神的な負担を抑えやすいでしょう。

節税につながる可能性がある

個人事業主として開業すると、事業に必要な支出を経費として計上できるようになります。
青色申告を選択して一定の要件を満たせば、税負担を軽減できるのがメリットです。

ただし、事業に関係のない支出は経費にできないため、適切に会計処理を行うことが大切です。

将来の独立準備になる

会社員として働きながら起業すると、将来的な独立に向けた準備を進められます。

事業を運営する中で、市場のニーズや収益性を確認できるだけでなく、営業や集客、経理など経営に必要な知識や経験を身に付けられるのがメリットです。

事業が安定してきたタイミングで独立すれば、リスクを抑えながら本格的に事業へ専念できるでしょう。

サラリーマンが起業する方法

サラリーマンが起業する方法

サラリーマンが起業する方法には、「個人事業主として開業する方法」と「法人を設立する方法」の2つがあります。

  個人事業主 法人
起業時の手続き 開業届、所得税の青色申告承認申請書など 定款作成・認証、設立登記、法人設立届出など
設立費用 原則不要 20万~30万円(株式会社の場合)
税金 所得税・住民税・個人事業税など 法人税・法人住民税・法人事業税など
社会的信用 個人としての信用 法人として信用を得やすい
社会保険 条件により加入 原則加入

副業や週末起業から始める場合は、手続きや費用の負担が少ない個人事業主を選ぶ人がほとんどです。
一方で、事業規模が大きくなった場合や社会的信用を高めたい場合には、法人化を検討するケースもあります。

個人事業主として開業する

個人事業主として起業する場合は、税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」を提出します。 開業届は、原則として事業を開始してから1か月以内に提出する必要があります。

また、青色申告を希望する場合は、「所得税の青色申告承認申請書」もあわせて提出しましょう。

法人を設立する

法人を設立するには、定款の作成・認証、法務局での設立登記、税務署への法人設立届出書の提出など、個人事業主の開業より多くの手続きが必要になります。

また、設立時には登録免許税などの費用も発生するため、注意が必要です。

サラリーマンが起業するまでの流れ

サラリーマンが起業する際は、思いつきで始めるのではなく、事前に準備を進めることが大切です。
事業内容や収支計画を整理したうえで必要な手続きを行えば、起業後もスムーズに事業をスタートできます。

ここでは、サラリーマンが起業するまでの基本的な流れを紹介します。

①事業内容を決める

まずは、どのような事業を行うのかを決めます。

自分の経験やスキルを活かせる分野であれば、専門性を強みにして事業を始めやすいでしょう。
市場のニーズや競合の状況を調べ、継続的な需要が見込めるかどうかも確認することが大切です。

また、副業や週末起業の場合は、本業と両立できる業務量かどうかも重要なポイントになります。

②事業計画・収支計画を立てる

事業内容が決まったら、事業計画と収支計画を作成します。
どのような顧客をターゲットにするのか、どのような方法で集客するのか、売上目標はいくらに設定するのかなどを整理しておくことで、起業後の方向性が明確になるでしょう。

また、初期費用や毎月の固定費、必要な設備投資などを洗い出すことも重要です。
収入だけでなく支出も把握しておくことで、資金不足を防ぎやすくなります。

③開業届・必要な届出を提出する

事業内容や事業計画が固まったら、起業に必要な手続きを行います。

個人事業主と法人では必要な届出や提出先が異なるため、自分の事業形態に応じて準備を進めましょう。
提出期限が定められている書類もあるため、事前に確認しておくことが大切です。

④事業用の銀行口座・会計環境を整える

起業したら、事業用の銀行口座を開設することをおすすめします。
個人の生活費と事業のお金を分けて管理することで、収支を把握しやすくなり、確定申告の際もスムーズです。

また、会計ソフトを導入して日々の売上や経費を記録しておけば、帳簿作成の負担を軽減できます。
事業を始めたばかりのうちから会計環境を整えておくと、経理業務の効率化にもつながるでしょう。

⑤集客・営業を始める

起業後は、商品やサービスを知ってもらうための集客や営業活動を行います。
ホームページやSNSで発信するなど、事業内容に合った集客方法を選びましょう。

副業起業の場合は、すぐに大きな売上を目指すのではなく、継続して依頼を受けられる顧客を少しずつ増やしていくことが大切です。

サラリーマンが法人化を検討するタイミング

サラリーマンが個人事業主として起業した場合でも、事業が軌道に乗ってくると、法人化を検討するタイミングが訪れます。

一般的には、事業所得が年間800万円前後になった頃が法人化の目安とされていますが、取引先や事業計画なども判断材料になります。

法人化の判断材料 目安
事業所得 年間800万円前後
利益 継続して黒字を確保できている
取引先 法人との取引が増えてきた
人員 従業員の雇用を予定している
事業計画 今後も事業を拡大する予定がある

個人事業主は所得が増えるほど税率が高くなるため、収益状況によっては法人化したほうが税負担を抑えられる場合があります。
また、法人になることで社会的信用が高まり、企業との契約や資金調達がしやすくなることもメリットです。

一方で、法人は設立費用や維持費がかかるほか、赤字でも法人住民税などの負担が発生します。
そのため、税金だけで判断するのではなく、利益や事業計画を踏まえて総合的に判断することが大切です。

サラリーマンが起業するときの注意点

サラリーマンが起業するときの注意点

サラリーマンが起業する際は、本業との両立だけでなく、会社のルールや税務上の手続きにも注意が必要です。
トラブルを避けるためにも、事前に確認しておきたいポイントを押さえておきましょう。

会社の就業規則や副業規定を確認する

まずは、勤務先の就業規則や副業規定を確認しましょう。

近年は副業を認める企業が増えていますが、事前申請や会社への届出が必要なケースもあります。
また、副業自体を制限している企業もあるため、ルールを確認せずに事業を始めることは避けましょう。

競業避止義務に注意する

サラリーマンが勤務先と同じ業種で事業を行う場合は、競業避止義務に注意が必要です。

競業避止義務とは、会社の利益を損なうような競合事業を制限するルールです。
顧客や営業ノウハウを利用した起業は、トラブルにつながる可能性があります。

起業する際は、本業との利益相反がないかを確認し、勤務先のルールを守ることが大切です。

確定申告や税金の知識が必要になる

サラリーマンが個人事業主として事業所得を得る場合、原則として確定申告が必要になります。
事業を始めると、売上や経費を日頃から記録し、帳簿を作成しなければなりません。

また、本業の給与所得と事業所得を合算して所得税が計算されるため、税金の仕組みについても理解しておきましょう。

従業員を雇う場合は社会保険・労働保険の手続きが必要

事業が成長し、従業員を雇用する場合は、社会保険や労働保険に関する手続きが必要になります。
加入条件を満たす従業員を雇う場合は、年金事務所や労働基準監督署、公共職業安定所などで手続きを行わなければなりません。

また、法人化して役員報酬を受け取る場合は、自身も社会保険の加入対象となります。
制度について事前に確認しておくことが重要です。

サラリーマンの起業にはコワーキングスペースの活用がおすすめ

サラリーマンの起業にはコワーキングスペースの活用がおすすめ

サラリーマンが起業する場合は、自宅だけで仕事を進めるのではなく、コワーキングスペースを活用するのもおすすめです。

仕事に集中できる環境を確保できるだけでなく、打ち合わせや商談の場所として利用できるため、事業の信頼性向上にもつながります。
また、利用者同士の交流から、新たなビジネスチャンスが生まれることもあるでしょう。

大阪・堂島にある「WORKING SWITCH ELK(エルク)」では、快適なコワーキングスペースに加え、住所利用が可能なバーチャルオフィスサービスも提供しています。
個人事業主として開業したい方や、法人設立に向けて事業用住所を利用したい方にもおすすめです。

自分に合った方法でサラリーマン起業を始めよう

サラリーマンは、会社を辞めなくても副業や週末起業という形で事業を始めることができます。 給与収入を維持しながら挑戦できるため、リスクを抑えつつ経験や実績を積み、将来的な独立を目指せる点が大きなメリットです。

一方で、起業する際は、就業規則や競業避止義務の確認、開業手続き、確定申告など、事前に準備しておきたいことも少なくありません。
また、事業が軌道に乗ってきたら、法人化のタイミングについても検討するとよいでしょう。

起業を成功させるためには、事業内容や事業計画をしっかりと考え、自分に合った方法で無理なくスタートすることが大切です。
仕事に集中できる環境や事業用住所が必要な場合は、コワーキングスペースやバーチャルオフィスの活用も検討しながら、着実に事業を成長させていきましょう。