パソコンさえあればどこにいても仕事ができるようになってきた昨今、一人で会社を作る人が増えているようです。
この記事では、一人で会社を作る手順について、形態や条件、費用を安く抑えるコツなどを踏まえながら、分かりやすく解説します。

一人で作れる会社の形態は?

一人で作れる会社の形態は?

まずは、一人で作れる会社の形態について見ていきましょう。

日本の法人形態には、以下の4種類があります。

  • 株式会社
  • 合名会社
  • 合資会社
  • 合同会社(LLC)

このうち発起人が一人で作れる会社の形態は、以下の3種類です。

  • 株式会社
  • 合名会社
  • 合同会社(LLC)

かつては、株式会社の設立には取締役三名以上、監査役一名以上の就任が必要とされていました。
しかし、平成18年に施行された会社法によって現在、取締役会を設置しない株式会社であれば、取締役一名でも設立できるようになっています。
また、合名会社も会社法の施行前は二名以上の無限責任者が必要でしたが、現在は一人で会社を作ることが可能です。
合同会社は比較的新しい会社形態というのもあり、設立時に必要な最低役員数は出資者の一名のみです。

一人で株式会社を作る条件

株式会社を一人で作る場合、当然ながら、株式の発行が必要となります。 中小企業の株式会社は、株式をすべて発起人が資金を出し、手続きを行う発起設立が多く、一人で株式会社を作るためにはいくつかの条件があります。

取締役1名以上

株式会社の設立は、平成18年に施行された会社法によってハードルが低くなりました。
現在、非公開会社においては、株式を引き受ける発起人が一人で全額出資する場合にも、株式会社の設立ができるようになりました。

発起人が株式会社の取締役を一人決める必要がありますが、非公開会社では発起人=取締役としても問題ないため、一人で会社を作ることは可能です。

親の同意なしで設立できるのは18歳以上

会社法には、年齢に関する規定はありません。
そのため、「18歳未満でも一人で会社を作れるのでは?」と考える方もいるかもしれません。

しかし、民法では満18歳をもって成人とされ、17歳未満の未成年者は制限行為能力者とされています。
制限行為能力者が法定代理人(保護者など)の同意を得ずに行った契約は、本人または法定代理人が取り消すことができると定められているため、親の同意を得ずに一人で会社を作るのは難しいと言えます。

つまり、自分一人の意思だけで会社を作れるのは、18歳以上の成人のみと言えるでしょう。

資本金は1円以上

かつては株式会社の設立には資本金が1,000万円以上必要と定められていました。
しかし、会社法施行後は、資本金の下限条件がなくなっています。

定款の作成・認証が必要

一人で株式会社を作るにしても、会社の基本的な情報や規則を定めた定款の作成・認証が必要となります。

株式会社の定款には、絶対的記載事項として以下の項目を記載しましょう。

  • 事業目的
  • 商号
  • 本店所在地
  • 資本金
  • 発起人の氏名および住所
  • 発行可能株式総数

また、定款を作成したら、本店のある地区を管轄する法務局または地方法務局に所属する公証人に認証をしてもらわなければいけません。

定款の認証には資本金に応じた手数料、登記申請用の謄本を請求するための手数料、印紙代(紙の定款のみ)が必要です。

そのため、株式会社の設立は資本金が1円以上あればできることになっています。
ただし、株式会社を作るためには登記などの手続きなどに費用がかかるため、実質1円で作れるわけではないことは理解しておきましょう。

【保存版】一人で会社を作る手順

【保存版】一人で会社を作る手順

一人で会社を作る場合、会社設立の手続きと同時に、事業を開始する準備も進行しなければいけません。
スムーズに会社を設立するためにも、一人で会社を作る手順や流れを知って、余裕を持って準備をしていきましょう。

会社の基本情報を決める

一人で会社を設立するには、まず会社の基本情報を決める必要があります。

決めておくべき基本情報は、以下の通りです。

  • 所在地
  • 資本金
  • 設立日
  • 会計年度
  • 事業目的

会社の基本情報は、定款に記載する必要があります。

会社の社名を決める

一人で作る会社でも、登記をするなら会社名が必要です。
特殊な表記は認められなかったり、名前の前後に会社の種類を入れなければいけなかったりするので、社名を考えるときには注意しましょう。

また、すでにある会社と同一または類似した社名をつけることは、不正競争防止法によって禁止されています。
差止請求や損害賠償請求されるリスクがあるので、法務局や登記情報提供サービスなどで類似した社名が存在しないかを確認し、他社と似た社名は避けることをおすすめします。

法人印の作成

法務局で会社の設立登記申請をするためには、法人印が必要となります。
会社の設立後は実印を使ったり、法人口座開設に銀行印が必要になったりと、何かと法人印を使う機会が増えるでしょう。
社名を決定した後に社判とともに作成しておくのがおすすめです。

定款作成・認証

会社の基本情報、社名、法人印の作成が終わったら、それらを使って定款を作成し、認証を受けましょう。
定款の認証は、管轄の法務局または公証役場で行います。

定款には、紙ベースの定款と電子定款の2種類があります。
紙の定款に認証を受ける場合は、収入印紙(4万円)の貼付が必要です。

一方、電子定款の場合は収入印紙(4万円)を貼る必要はなく、オンラインで申請ができるため、会社設立費用の削減につながります。

資本金の払い込み

定款認証後は、資本金の払い込みをする必要があります。
このとき、会社の登記申請前というのもあって法人口座の開設はできないため、資本金の振込先は出資者の個人口座となります。

また、資本金の払い込みを第三者に証明するための書類を作成する必要もあります。

法務局で登記申請

登記申請書や定款、資本金の払込証明書など法人登記に必要な書類を揃えたら、法務局で申請します。
不備がなければ1週間から10日前後で登記が完了し、会社を設立することができます。

また、一人で会社を作った後は、税金関係や社会法権関係の手続きが必要となるため、各種機関で手続き申請を行いましょう。

一人で会社を作るときにかかる費用

ここまで一人で会社を作る手順を紹介しましたが、会社設立にはそれなりの費用がかかります。

以下は、一人で会社を作るために必要な費用です。

  • 定款の認証手数料(約3~5万円)
  • 定款に貼る収入印紙代(紙ベースの場合4万円)
  • 登録免許料(株式会社15万円~、合同会社6万円~)

株式会社を作る場合は少なくとも20万円程度、合同会社の場合は少なくとも10万円程度の費用がかかることになります。

ほかにも、オフィスを借りたり、ホームページを作成したり、名刺を作ったりなど、事業を開始するための初期費用も必要です。
一人で小規模な会社を作る場合、初期費用をできるだけ抑えたほうが、その後の経営が楽になるでしょう。

大阪・堂島での会社設立にはエルクをご活用ください

大阪・堂島での会社設立にはエルクをご活用ください

一人で会社を作る費用を安く抑えるには、登記住所利用ができるシェアオフィスやコワーキングスペースの利用がおすすめです。

大阪・堂島にある「WORKING SWITCH ELK(エルク)」は、京阪・大阪メトロ御堂筋線淀屋橋駅から徒歩4分にある、法人登記や住所利用可能なオフィスサービスです。

施設内は専用オフィスとして利用できる個室のほかに、一人で利用するのに適した専用デスク席、コワーキングスペースなどが充実しており、さまざまな施設利用が可能です。
また、用途に応じた柔軟な契約プランが設けられており、フレキシブルな働き方ができるようになっています。

エルクは、シェアオフィスだけではなく、コワーキングスペースでも登記住所利用が可能なため、オフィスを賃貸せずとも会社を設立することができます。
月額利用料を支払うのみでオフィス家具やOA機器、Wi-Fi環境などが整ったワークスペースを利用することができ、オプションで郵便物の転送サービスなども利用できて便利です。

オフィスの費用を抑えて法人登記をしたいとお考えの方は、ぜひエルクまでご相談ください。