厚生労働省も重要視している「ワークエンゲージメント」は、従業員の精神的な健康度を示すものです。仕事のモチベーションに大きな影響を与えるため、企業にとっては、従業員満足度(ES)と同じく重要な指標として用いられています。
この記事では、そんなワークエンゲージメントの意味や概念、従業員のワークエンゲージメントを高める具体的な方法について解説します。
ワークエンゲージメントとは
ワークエンゲージメントとは、オランダにあるユトレヒト大学のSchaufeli教授らによって提唱された、仕事に関するポジティブな心理状態や態度を示す概念です。
従業員の精神的な健康度を表す指標として用いられており、厚生労働省でも人手不足が慢性化する日本の働き方改革として、ワークエンゲージメントについて言及されています。
厚生労働省では、ワークエンゲージメントの定義として、
- 仕事から活力を得ていきいきとしている(活力)
- 仕事に誇りとやりがいを感じている(熱意)
- 仕事に熱心に取り組んでいる(没頭)
の3つが揃った状態を挙げています。
また、ワークエンゲージメントは特定の出来事や個人、行動などに対する一時的な状態ではなく、仕事への「持続的かつ安定的な状態」を捉える概念と言われています。
ワークエンゲージメントが注目される理由
少子高齢化が進む日本では、労働人口の減少が問題視されており、従業員一人あたりの生産性の向上が求められるようになりました。個々の働きが重要視されるようになり、働きがいや意欲の向上が、会社の労働生産性を上げることにつながると考えられています。
そこで注目されているのがワークエンゲージメントです。
ワークエンゲージメントを高めることは、従業員の働きがいが向上することになるため、社員の定着率や離職率が改善されることにつながります。
さらに、ワークエンゲージメントを高める取り組みを実施することで、従業員の仕事に対するモチベーションが向上し、ストレスや疲労感が緩和されるなど、メンタルヘルスの改善も見込めるでしょう。
また、社員のワークエンゲージメントが向上した企業では、従業員が意欲的に働くことで、自社サービスや商品に対する熱意が顧客に伝わりやすくなり、信頼性の向上にもつながると言われています。
このようなメリットのあるワークエンゲージメントは、組織運営において重要な概念の一つであり、近年多くの企業が取り組みを始めています。
ワークエンゲージメントの測定方法
ワークエンゲージメントを高めるには、従業員の現状を把握することから始めましょう。
ここでは、ワークエンゲージメントを測定する方法を2種類紹介します。
UWES(17項目)
ワークエンゲージメントの測定方法として、最も広く使用されているのが「UWES(Utrecht Work Engagement Scales)」です。
UWESではワークエンゲージメントの概念である「活力」「熱意」「没頭」の3つの尺度を17個の質問項目に盛り込んでいます。
要素別の質問に対して7段階評価を行い、各質問0点~6点の間でスコアをつけます。
UWESのスコアが高いほどワークエンゲージメントが高いことを示し、スコアが低いほどワークエンゲージメントが低下している状態です。
ただし、日本人の国民性としてポジティブな自己評価ができない人が多い傾向にあるため、評価が安定しているUWESでも、点数が低めに出るケースがあります。
短縮版UWES(9項目)
ワークエンゲージメントの測定方法として、日本人労働者に合わせた短縮版UWESもよく用いられています。
短縮版UWESは9項目の質問に限定されており、通常のUWESよりも簡易的な測定ができます。質問項目に対して5段階評価をして、ワークエンゲージメントを測定します。
ワークエンゲージメントを高める方法は?4つの具体例
ワークエンゲージメントの高い従業員が多いことは、意欲的に仕事に取り組んでいることの指標となるため、企業にとってもプラスになります。
ここからは、ワークエンゲージメントを高める方法について、4つの具体例を紹介します。
サードプレイスオフィスの導入
サードプレイスオフィスとは、会社や自宅以外のワーキングスペースを指し、シェアオフィスやコワーキングスペースが利用されるケースが多いです。
従業員の通勤にかかる負担を削減でき、生活スタイルに合わせて柔軟な働き方ができるようになるため、ストレスの軽減が期待でき、離職率の低下につながるなどのメリットがあります。
サードプレイスオフィスについては、「サードプレイスとは?オフィスを導入するメリット・効果を解説」の記事で詳しく紹介しています。
ハイブリッドワークの導入
テレワークとオフィスワークを組み合わせたハイブリッドワークも、従業員のワークエンゲージメント向上に有効な施策です。
テレワークとオフィスワークには、どちらにもメリットがあり、デメリットもあります。
どちらか一方に絞るのではなく、従業員が自分に合った働き方を選べるようにすることで、ストレスの軽減や意欲向上につながります。
また、プライベートに回せる時間が増えたり、通勤ラッシュに巻き込まれる頻度も減少したりするため、ストレスも軽減できるでしょう。
ハイブリッドワークを導入することで、従業員が意欲的に仕事に向き合いやすくなり、ワークエンゲージメントの向上につながります。
ハイブリッドワークについては、「ハイブリッドワークとは?メリットや成功のポイントを解説」の記事を参考にしてください。
リフレッシュスペース(休憩室)の設置
職場の人間関係が良好であるほど、従業員はより会社に貢献しようという気持ちが高まるものです。
オフィスへのリフレッシュスペース(休憩室)の設置も、従業員同士がコミュニケーションをとりやすくなり、良好な人間関係の構築を後押しする一助となるでしょう。
リフレッシュスペースについては、「オフィスにリフレッシュスペース(休憩室)は必要!効果やメリットを解説」の記事を参考にしてください。
1on1でのフィードバック
ビジネスシーンにおいて、定期的に上司と部下がコミュニケーションをとることは必要不可欠です。
1on1でフィードバックをすることで、部下の仕事へのモチベーションが高まったり、信頼関係が築けたりするため、ワークエンゲージメントの向上が期待できるでしょう。
ワークエンゲージメントが企業成長の鍵!
ワークエンゲージメントの高さは、意欲的な従業員が多く、人間関係も良好な働きやすい企業であることを示す指標の一つです。ワークエンゲージメントの向上は、優秀な従業員の確保や生産性の向上にもつながるため、企業成長の鍵とも言われています。
ワークエンゲージメントを高めるためにも、サードプレイスやハイブリッドワークの導入に、シェアオフィスやコワーキングスペースを活用してみてはいかがでしょうか。
大阪・堂島にある「WORKING SWITCH ELK(エルク)」は、コワーキングスペースとシェアオフィスを併設したオフィスサービスです。
京阪・大阪メトロ御堂筋線淀屋橋駅から徒歩4分の立地にあり、繁華街やビジネス街からのアクセスにも優れています。清潔感のある内装で、仕事に集中しやすい環境も整っているため、従業員のストレス軽減にもつながるでしょう。
また、フリードリンクやアロマ、観葉植物なども用意されており、カフェコーナー併設のリフレッシュスペースもご利用いただけます。
従業員にとって働きやすい環境を整えたいとお考えの企業様は、ぜひお気軽にエルクまでお問合せください。