副業・起業・フリーランスなど様々な働き方をしている人を紹介する連載企画。今回は「25歳のうちに会社を辞めて、本当にしたいことをする」の目標を実現させ、昨年よりフリーランスの立場でコーチングを始めた山中真琴さん(27歳)にインタビューしてみました。
 

職場環境は良好も「一生の仕事か?」の疑問

――今の仕事について教えてください。
山中 2021年2月に4年弱働いていた会社を辞め、フリーランスの立場でコーチングを行っています。テーマは「習慣化」で、運動・勉強・早起きなど「習慣化したいけどなかなかできない」ことを習慣づけるためのサポートを行っています。
――会社員時代はどのような仕事をしていたのですか。
山中 得意な英語を仕事に活かしたいと考え、就職活動は総合商社1本に絞って行いましたが全部落ちてしまいました。そこで「東京か大阪に本社がある大手企業で、海外勤務のチャンスがある」を条件に改めて就職活動を行い、某メーカーの営業職として社会人の第一歩を踏み出しました。職場の人間関係も良く、取引先にも恵まれ、非常に楽しく充実した毎日を送れました。普通に考えれば「会社を辞める理由」は全くありませんでした。
――それが、なぜ「退職して起業しよう」という考えになったのですか。
山中 理由は2つあります。まず、会社自体には何の不満も無かったのですが、私はその会社が製造している製品や業界自体に強い興味があって就職したわけではありません。「会社に長く勤務して製品などに関する知識を身に付けることが自分のキャリアにプラスになるだろうか」という疑問が生じました。もうひとつは社会人2年目のときに、私と同い年ながらパラレルキャリアで働き、起業に向けて準備している女性と知り合ったことです。自分のやりたいことが明確にあり、それに向かってひたすらに進んでいく姿に刺激を受けました。
 これらの経験から「本当に自分の好きなことを仕事にしたい」と考えました。しかし、この時点では「私は何をしたいのか」がわかっていませんでした。
 

「やりたいこと」を探し求めた1年半

――そこで、どのような行動に出たのですか。
山中 「私は何ができるのか、何がしたいのか」を追求するために、色々なことを試しました。その際、すでに色々な事業をされている方がいたので、その方に教わりました。そこで、コーチングをしたり、仲間と一緒に海外の優れた教育システムを日本に広めるビジネスに着手したり、海外起業家のビジネスへの考え方のインタビューを収録した書籍を出したり、インド人向けにリーダーシップをテーマにリモートで講演したりと1年半ほど様々な活動をしました。ちなみに、まだ会社に在籍中でしたので、偽名を用いて完全に別人格を作って活動していました。
――会社を辞めるに至った理由は。
山中 ある著名人の「25歳で自問自答して、20代後半の5年間は寝食を忘れて向き合える競技に参加した方がいい」という発言に触発されたからです。そこで、寝食を忘れて向き合える活動に没頭するために、会社員を辞めることにしました。26歳になるまでに、その活動に全集中したかったので、21年の1月23日の26歳の誕生日から有休消化させていただき、2月に退社しました。その後も色々なことを試しましたが、その結果、コーチングを仕事にしたいという考えに至りました。私自身、働くことがとても好きなので、コーチングを通じて、活き活きと働ける人を増やしたいと考えています。21年9月に、活動拠点を大阪から東京に移しました。以前から、東京に住みたいと考えていたからです。現在は、オンラインでコーチングをしながら、仕事を通じて出会った会社の英会話事業のサポートなども行っています。
 

今が最終形と考えず、あらゆる可能性追求

――起業や副業など、新たな働き方を考えている同世代の若者たちにアドバイスをお願いいします。
山中 私は2年近く試行錯誤をした結果、コーチングが一番自分に合っていると判断しましたが、これが最終形とは思っていません。今も色々なことを試しています。もしかしたら5年後には会社員をしているかもしれません。
若いうちは人生のリカバリーはどれだけでもできます。難しく考えずに、やりたいことができたらどんどんチャレンジすべきだと思います。ただし、まずは副業などの形にして、リスクヘッジをしておくのがおすすめです。