働き方の多様化によってリモートワークが定着しつつある昨今、「リモートハラスメント(リモハラ)」と呼ばれる新しいハラスメントが生まれています。
この記事では、リモートハラスメントとは何か、原因や対策方法について紹介します。

更新日:2024/05/21

リモートハラスメント(リモハラ)とは

リモートハラスメント(リモハラ)とは

リモートハラスメント(リモハラ)とは、リモートワーク中に行われるハラスメントのことを指し、「テレワークハラスメント(テレハラ)」や「オンラインセクハラ」「オンラインパワハラ」などと呼ばれることもあります。

ハラスメントとは相手が嫌がる行為のことで、セクシュアルハラスメントやパワーハラスメント、マタニティハラスメントなどさまざまな種類があります。
リモートハラスメントの場合は、オンライン通話やチャットでのセクハラやパワハラに加え、相手のプライベートな部分への指摘や業務に無関係な範囲の干渉も含まれます。

リモートワークではオフィスでの対面ではなく、プライベートな空間からWebカメラやアプリを通して会話をするため、相手との距離感やコミュニケーションの取り方を誤ってしまうと、思いがけずハラスメントにつながる可能性があります。

リモートハラスメントは、セクハラやパワハラと同じように、自分に悪意がなくても、相手が行動や言葉によって不愉快な想いをしたり、迷惑を被ったりするとハラスメントに該当するため注意が必要です。

リモートハラスメント(リモハラ)の具体例

ここからは、どんな発言や指示・行為がリモートハラスメント(リモハラ)に該当するのか、具体例を紹介します。

Webカメラによる監視

リモートワークはオフィス勤務と違って、仕事をしている様子をお互いに直接見ることはできません。
そのため、上司が部下の状況を把握する目的で、「常にWebカメラをONにしておくように」と強要したリモートハラスメントの事例があります。
Webカメラによる監視はプライバシーへの配慮に欠けるだけではなく、精神的な圧迫感を与える恐れがあります。

自宅・私生活への干渉

リモートワークでは、Webカメラにプライベートな部分が映る機会があります。
その際、部屋や私服について言及したり、話題に挙げたりすると、相手が不快感を覚えてリモートハラスメントに該当する可能性が考えられます。
業務に関係がない部分には触れないように注意しましょう。

オンライン飲み会に誘う

リモートで食事や会話を楽しむオンライン飲み会が普及しています。
しかし、オンライン飲み会に強く誘う行為も、リモートハラスメントの事例の一つとして挙げられます。
ただ親睦を深めたいだけだったとしても、高頻度で誘ったり、断りづらい誘い方をしたりすると、相手にストレスを与えてしまうことになります。
特に上司からのオンライン飲み会の誘いは、部下からは断りづらいため、誘い方には注意が必要でしょう。

オンライン会議でのセクハラ

Webカメラに映った相手の外見(メイクや服装など)について指摘したり、2人きりの会議で「恋人はいるの?」といったプライベートな話を強要する行為は、リモートセクハラに該当することがあります。

リモートワークのオンライン会議では画面越しにプライベートな部分を見る機会があるため、お互いの親密度や距離感を測りかねて、このように踏み込みすぎてしまうことがあるのです。

リモートハラスメント(リモハラ)が起こる原因

リモートハラスメント(リモハラ)が起こる原因

上記のようなリモートハラスメント(リモハラ)は、なぜ起こるのでしょうか。
続いては、リモートハラスメントの原因を紹介します。

ON・OFFの切り替えができていない

リモートワークは職場ではなく自宅で業務を行うため、公私混同しやすい傾向にあります。
仕事と私生活のON・OFFの切り替えが上手くできずに、プライベートに近い感覚で接してしまうことがあるのです。
その結果、私生活に踏み込んでしまったり、気がゆるんで適切な気遣いができなくなったりして、リモートハラスメントにつながります。

プライベートが見えやすい

Webカメラに部屋が映ったり、生活音が聞こえたりと、リモートワークは私生活が見えやすい環境に身を置かれます。
画面越しにプライベートな部分が伝わるため親密さが増したような錯覚を起こし、私生活への指摘やセクハラにつながってしまうこともあります。

管理体制・ルールが整っていない

リモートワークでは管理体制・ルールが整っていないと、部下の勤務状況や仕事の進捗を把握できなくなり、疑心暗鬼になりがちです。
このような状況では、部下がサボっていないか、問題なく仕事が進んでいるかを確認しようとして、過度の監視や干渉といったリモートハラスメントが起こりやすくなります。

リモートハラスメント(リモハラ)防止におすすめの対策方法

リモートハラスメント(リモハラ)を防止するためには、一人ひとりが注意するだけではなく、会社全体で対策に取り組むことが大切です。
ここからは、リモートハラスメント防止におすすめの対策方法を紹介します。

ハラスメント研修の実施

リモートハラスメントは、加害者の無自覚によって引き起こされることが多いです。
ハラスメント研修では、ハラスメントの定義やどのような言動が該当するのか、それらがなぜ問題なのかを学ぶことができ、リモートハラスメント防止につながります。
参加者同士で意見を交換する時間を設けると、より理解が深まるでしょう。

社内ルールの整備

急にリモートワークが始まったなどの事情で、社内ルールの整備が追いついていない場合もあります。 進捗の報告の仕方や頻度、始業・休憩・終業時間の確認方法、緊急時の連絡方法など、具体的なルールを決めて社内に周知することで、監視や過干渉といったリモートハラスメントを防ぐことにつながります。

大阪・堂島のコワーキングスペースはエルクにご相談ください

大阪・堂島のコワーキングスペースはエルクにご相談ください

リモートハラスメントは、社内ルールの整備や社員のハラスメントに対する認識の不足のほか、仕事とプライベートの境界が曖昧になって起こることがあります。
リモートハラスメントの加害者・被害者にならないためには、ハラスメントに関する正しい知識を身につけるのはもちろん、Webカメラに私生活が映り込むのを防ぐことができ、仕事のON・OFFの切り替えがスムーズにできるコワーキングスペースの利用も検討してはいかがでしょうか。

リモートワークの場所としてコワーキングスペースを利用したいという方は、ぜひエルクにご相談ください。

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