賃貸オフィスを探すとき、家賃はどれくらいを目安に考えれば良いのか悩む方も多いのではないでしょうか。
そんなとき、自社の業績に応じた「適正賃料」がいくらなのかを把握しておくと役立ちます。

この記事では、オフィス家賃の目安となる適正賃料を計算する方法や判断基準、大阪におけるオフィス賃料の相場動向を解説します。

最終更新日:2024年10月30日

オフィスの家賃は粗利の10~20%が目安

オフィスの家賃は粗利の10~20%が目安

オフィスの適正賃料は、一般的に「粗利(売上総利益)の10~20%以内」だと言われています。

粗利の計算方法は、「売上高-売上原価(仕入原価)」です。
例えば、1ヶ月あたりの売上高が400万円、売上原価が280万円の場合、粗利は120万円、粗利率は30%となります。
この場合の適正賃料は120万円×10~20%となるため、オフィスの家賃は12〜24万円が目安となるでしょう。

オフィスの家賃が適切かどうかを判断する3つの基準

気になるオフィス物件の家賃が自社に適しているかどうかを判断するときは、粗利から算出した適正賃料以外にも、以下の3つを基準にしましょう。

賃料相場と比較

気になるオフィスを見つけたときは、近隣の賃料相場を調べ、妥当な家賃なのかどうか比較してみましょう。

ビルディンググループが公表した2022年の市況データによると、大阪市の主要エリアのオフィス賃料相場(1坪あたり)は以下のようになっています。

  100坪未満 100~300坪未満 300坪以上
北梅田エリア 10,037円 16,000円 23,208円
南梅田エリア 10,952円 17,880円 23,740円
肥後橋エリア 8,847円 11,244円 14,839円
新大阪エリア 7,839円 12,279円 18,839円
淀屋橋・北浜エリア 11,433円 13,725円 19,159円
本町・堺筋本町エリア 9,612円 10,140円 16,488円
心斎橋・難波エリア 11,149円 15,130円 14,588円
天満橋・谷町エリア 9,470円 9,964円 17,966円
(参考:2022年11月度オフィスビル市況 - 賃料の相場や推移を紹介 | ビルディンググループ)

オフィスの賃料相場は、エリアによって違いがあるのはもちろん、市況によっても変わります。
例えば、新型コロナウイルスの感染拡大やテレワークの普及などにより、2019〜2020年までオフィスビルの需要は下降傾向にありました。
しかし、2021年以降はやや回復傾向になり、20%程度の上昇を見せています。

必要な広さの目安

家賃だけを重視して物件を決めると、オフィスに必要な広さが確保できないケースもあります。
従業員が仕事をするのに支障がない、十分な広さがあるかも大事なポイントです。

オフィスの広さを決める目安としては、一般的に「従業員1人あたり約3坪」だと言われています。
つまり、従業員が10人の企業なら、少なくとも30坪前後のオフィス物件を探す必要があるでしょう。
さらに受付や会議室などのスペースを考慮しなければいけません。

広さに対する家賃の目安

エリア別の賃料相場と自社に必要な広さが分かったら、それらをもとに、想定されるオフィス家賃の目安を計算しましょう。

エリア別の賃料相場(1坪あたりの賃料)×広さ(3坪×従業員の人数)=オフィス家賃の目安

つまり、北梅田エリアで30坪のオフィス物件を探す場合、

10,037円 × 30坪 = 301,110円

がオフィス賃料の目安となります。

この301,110円が粗利の10~20%以内かどうかを確認し、適切かどうかを確認しましょう。

粗利の20%以内に収まっていない場合は、賃料相場が安い別のエリアでオフィスを探す必要があるかもしれません。

オフィス賃料相場の動向【大阪】

2022年12月現在の、大阪市の大規模ビルの空室率は4.10%と、全国平均4.64%よりも低くなっています。
近隣の神戸市(7.72%)や京都市(5.78%)と比較しても低く、大阪のオフィスビルは需要がある程度見込めることが分かります。
1坪あたりの募集賃料(共益費込み)についても、2019年7月の10,835円から大幅に上昇し、2022年12月の平均値は13,029円です。
※参考:三幸エステート株式会社

とはいえ、空室が目立つ高額帯のビルでは賃料が引き下げられているケースもあるため、一概に「賃料が高くなっている」とは言い切れません。

また、大阪市の中でもビジネスエリアとして人気が高い淀屋橋から御堂筋沿いにかけては、既存の建物の高さ規制が撤廃されたことで、超高層ビルの建設・再開発が進んでいます。
今後2025年にかけて再開発が進んでいきますが、御堂筋沿いの新築ビルは、梅田エリアの新築ビルと比較すると価格が抑えられている傾向にあるでしょう。
今後、大阪のオフィスビルを取り巻く賃料相場は、この再開発によっても変わる可能性が予想されています。

オフィスの家賃を抑えるならオフィスサービスを活用しよう

オフィスの家賃を抑えるならオフィスサービスを活用しよう

オフィスの家賃は、粗利の10~20%の適正賃料が目安となります。
また、従業員の人数や会議室などの設備スペースを考慮したうえで、必要な広さ(坪数)を見極めましょう。

とはいえ、オフィス探しはそれほど簡単ではありません。
「広さを重視すると適正賃料をオーバーしてしまう」「希望するエリアでは適正賃料内で借りられる物件がない」など、なかなか適切なオフィスが見つからずに悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

「オフィスの家賃を安く抑えたい」「初期費用をできるだけ抑えたい」という場合におすすめなのが、オフィスサービスの活用です。

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